大手企業のトップセールスから一転、フードコーディネーターを目指しイチからスタート
開放感溢れ、手入れが行き届いたオープンキッチン、壁一面に広がる食器棚。500L以上はある大型冷蔵庫が2台。思わず歓声をあげてしまうほど素敵な市瀬さん宅で行われた今回の取材。
フードコーディネーターとは耳にしたことがあるけれどどんな仕事?
どうやったらフードコーディネーターになれるの?
テレビや雑誌で大活躍の今注目のフードコーディネーター、市瀬悦子さんのキャリアを通じてその舞台裏に迫ります!
市瀬さんがフードコーディネーターを目指したのは、大学卒業後就職した大手食品会社で7年目を迎えたとき。営業成績も良く、扱う商材や仕事内容、待遇にも満足していたものの、「この仕事は50歳、60歳になっても続けられるのかな」と漠然とした不安を抱えていた。ずっと仕事を続けたい、そう考えたとき「営業」という仕事に限界を感じた。そして一生続けられる職業として見つけたのが好きな料理を仕事にする“フードコーディネーター”や“料理研究家”という道だった。
それから週に一日、フードコーディネータースクールに通いながらフードコーディネーターの資格取得に向け勉強を重ね、半年で取得。前職での経験や待遇も捨て、通っていた赤堀料理学園へ転職という大きなキャリアチェンジを果たす。憧れの仕事へ一歩近づいたが、そこでは想像以上の壮絶な生活が待っていた・・・。
すべては出会い。人とのつながりを大切にしてきた結果、今がある。
学園での主な仕事はフードコーディネーターとして撮影用のレシピを考案し、雑誌、ドラマやCMの撮影現場で料理を作ったり、料理教室の講師を務めたりすること。
「フードコーディネーターと耳で聞く分には華やかな仕事に聞こえますが、実際はとってもハード。ドラマの撮影や撮影の準備は深夜に及び、昼間は先生方のアシスタントや料理教室の講師を担当。お料理を仕事にしているにも関わらず、ゆっくりと落ち着いた食事ができないこともしばしば。夜明け前から終電まで仕事をする日々が続きました」
めまぐるしい学園での修行期間を経て1年後、独立を決意した市瀬さん。その後、森野熊八さん、枝元なほみさん、吉田端子さんをはじめ著名な料理研究家のアシスタントを行いながら、そこで出会った編集者やプロデューサーの方との人脈を広げ徐々に雑誌やテレビの仕事を増やしていった。
今では雑誌「Ray」や「幼稚園」などでの料理連載や、NHK教育テレビの「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」など人気番組の料理監修を担当。2008年には一冊まるごと市瀬さんが監修した料理本「おとなのねこまんま」を発売し大ヒットを記録。TBS系「はなまるマーケット」出演時には市瀬さん登場後ぐんぐん視聴率が伸び続け、放送終了後には問い合わせが絶えなかったというほどの人気ぶりだ。
そんな市瀬さんにも苦悩の時代があった。
「学園にいたときは仕事がどんどん舞い込んできたのですが、独立してからは仕事を自分から取りに行かなければいけなくなりました。思うように仕事が入らないときは、バイトもしたし、“いっそ他の仕事でもしてしまおうか・・・”と諦めかけそうになりましたが、そんな心を支えてくれたのは、学園時代のハードな生活。“ここでやめたら、安定した生活を捨てて、あんなに努力した日々が無駄になってしまう!”と踏ん張れました」
どんなに辛いときも諦めずに一つひとつの仕事を丁寧に、出会った人脈を大切にしてきた市瀬さん。応えきれないほどのオファーが各所から寄せられるようになった今でも、苦しい時代を支えてくれた研究家の先生のところにアシスタントとして伺うそう。いつでも笑顔で明るくポジティブな性格と、人情深いところが人望となって仕事を呼んでくるのだろう。
無理にでも仕事を忘れる時間をつくること。
それがうまく仕事と付き合っていく方法。
プライベートでは2008年ご結婚をされた市瀬さん。なんとお相手は料理研究家の森野熊八さん。市瀬さんが森野さんのアシスタントをされたことをきっかけにお付き合いがスタートしたとのこと。今でも一緒に仕事をする機会があり、旦那さんの仕事についてパプアニューギニアやインド、スリランカ、トルコなど各国で仕事を経験するなど、お互いに刺激を与え合う良好な関係を築いている。
テレビや雑誌など、不規則な仕事が多いフードコーディネーターのお仕事。市瀬さんの仕事のリフレッシュ法とは?
「昔は仕事とプライベートの線引きをはっきりつけられてなくて24時間仕事漬けだったのですが、それではストレスが溜まってしまう一方。よい仕事をするためにもしっかりリフレッシュしなければ、と毎日寝る前に大好きな動物の本を読んだり、大自然の中で生きる動物のDVDを見て癒されています。これ、本当に深く眠れるんですよ(笑)。」
仕事をずっと続けていきたいからこそ、仕事から離れる時間が必要。現代の働く女性、すべてに通じるものがあるのではないでしょうか?
「おとなのねこまんま」を出版したアース・スター・エンターテイメントから新たに「あぶら部」を出版した市瀬さん。おうちご飯ブームの中で、美味しいあぶら料理を若い人にもっと楽しく食べてもらいたい、と簡単レシピを集結!これで彼の胃袋をがっつりつかめるかも!?2009年12月にはテレビ番組にも出演するなど、ますます活躍のフィールドを広げている市瀬さんから目が離せません!