営業キャリアの道を大きく変えるきっかけとなった、ひとつの大型プロモーション
吸い込まれるようなブルーのボトルが特徴の雪肌精。言わずと知れたKOSEの代表ブランドは、なんと誕生から20年以上の歴史を持つ大ベストセラー。母から娘まで、幅広い世代に愛される化粧品ブランドだ。
今回、お話をお伺いしたのはその「雪肌精」をどのようにして売るかを企画するセールスプロモーション担当の阿南有紀子さん。コーセーの中でも最も花形であるこのポジションをどのようにして手に入れたのか、そして、その裏側の苦労とは・・・?
阿南さんは新卒入社5年目。就職活動は化粧品メーカーを中心に精力的に会社を回り、その中で出会ったのがコーセーだった。新卒採用は研究職と総合職の二つの間口しかないため、総合職で入社した阿南さんが配属された最初の部署は「営業」。比較的男性が多い営業セクションに、新卒で女性営業を積極的に採用し始めたのがちょうどこの時期。女性営業の推進役として阿南さんは大いに活躍。仕事のやりがいも手ごたえも感じ、当初は長期的に営業セクションでキャリアを積んでいく構想だったよう。
そんな時、阿南さんのキャリアの方向性を大きく変える出来事と出会う。それが2007年、女優の松嶋奈々子さんを起用した雪肌精の大型プロモーション。長年の歴史を持つ雪肌精は、これまで一切タレントやキャラクターを起用せず、商品とコピーのシンプルな広告戦略を一貫して行ってきた。女優を起用してTV・雑誌・店舗・街頭などあらゆるメディアを複合したプロモーションは雪肌精史上最も大きな取り組みであり、今後のブランドの明暗を分ける重要なプロジェクト。当時、営業として各化粧品カウンターを見ていた阿南さんは、活気付く売り場やみるみる売れていく商品を目の当たりにし、ひとつのプロモーションが与える影響力の大きさを肌で感じた。結果、雪肌精の売上は大きく伸び、プロモーションは大成功。商品企画・販売企画・営業・美容スタッフなど全社が一体となる感動を阿南さんは忘れられずにいた。
翌年、阿南さんは販売企画職へのキャリアチェンジを試み、社内公募に応募。数ある職種の中でもトップクラスの倍率の選考を潜り抜け、見事憧れのポジションを手に入れたのだ。
あらゆる部署と関わる仕事だからこそ、
全ての人に納得してもらう企画でなければならない
セールスプロモーションとは、その名の通り、販売戦略を考える人。
年6回あるシーズンごとのプロモーションをどの商品を前面に売り出すか、どんなキャンペーンだとお客様は喜ぶか、どのようにしたらリピーターになってくれるか・・・などを考えるセクションだ。ここで決まった企画は宣伝・生産・教育・営業などあらゆる部署へ波及するいわば司令塔のポジション。企画職、と聞くとアイデアマンのように思う方も多いかもしれないけれど、実際求められるのは組織を巻き込む力。
では、現場で阿南さんはどんな苦労とぶつかってきたのだろうか。
「異動後、最も大きなプロモーションだったのが2009年夏のSAVE the BLUEプロジェクト。これは、化粧品を一本買うと化粧品箱の底面積分のサンゴを海に植えることができるというもの。近年のECO意識の高まりから、ロングセラーの雪肌精で何か社会に貢献することが出来ないだろうか、と考えたのがこのプロジェクトでした。企画が形になるまでの期間は一年半。前例のない取り組みに、社内で懐疑的な声もありました。その度に他社事例を調べたり、NPO団体に問い合わせたり、モニター調査を行ったり、数々のデータを収集しました。『絶対に成功する』『女性の反響を得られる』と、感覚だけで説明しても理解は得られません。そのため、誰が見ても納得できるデータを必死で集めました」
組織を巻き込む力、周りに賛同してもらう力、これは企画職にとって、とても重要な要素。自分が自信を持って提案した企画をいかにして納得してもらうか、気持ちよくプロジェクトに参加してもらうか、企画を通すその段階が一番プレッシャーのかかる時だと言う。
結果、SAVE the BLUEプロジェクトはお客様から大きな反響を獲得し、「自分も世の中の役に立てると思うとうれしい」とこれまで雪肌精のことを知らなかった新規顧客の開拓にもつながり、大成功を収めた。
仕事は自分を成長させてくれるもの。
だから私には欠かせない存在
営業として培った3年間のキャリアを活かして、現場目線のプロモーションを企画していきたいという阿南さん。プライベートでは近々結婚も予定しており公私共に充実の模様。結婚しても仕事と両立させていきたい、という阿南さんにとって仕事とは?
「仕事とは自己成長の場所。いつまでも成長し続けていたいから、仕事は私にとって欠かせません」
可愛らしい見た目からは想像もつかないほど、内面はとても仕事熱心。とはいえ、決して楽な仕事ではないこの仕事。パワーの源をお伺いすると、なんとサーフィン!千葉の海岸までふらっと週末泳ぎに行くこともあるそう。
また、日常のリフレッシュアイテムとしてはアロマを活用。お部屋で焚いたり、お風呂に入れたりして仕事の疲れを癒しているとのこと。
来年2010年25周年を迎える雪肌精。阿南さんはすでに着々と25周年記念のプロモーションを企画中。来年はどんな仕掛けをしてくるのか、雪肌精に皆様ご注目を!