こんな時代、女性はキャリアをどう選択すべきか
どうなる!?2009年の転職市場
急激な景気の悪化を受けて、人材採用市場は大きく様変わりしつつある。
短期間で激変した環境の中、働く女性はどのように自身のキャリアを構築していくべきなのか。人材採用のプロと、かつての不況を乗り越えてきた女性経営者たちにこんな時代のサバイバル術を聞いた。
| お話を伺った方 |
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藤井佐和子さん
株式会社キャリエーラ
代表取締役
キャリアカウンセラー
Profile 人材総合企業を経て、フリーのカウンセラーとなり女性の転職を支援。カウンセリング人数は延べ1万人以上。講演、企業研修など幅広く活躍している
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高野秀敏氏
株式会社キープレイヤーズ
代表取締役
Profile 人材総合サービス、インテリジェンスにて人材紹介事業の立ち上げに参画。転職サポート実績ナンバーワンの記録を樹立し、2005年に同社を起業
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山崎元氏
経済評論家
楽天証券経済研究所
客員研究員
Profile 三菱商事や野村投信委託、メリルリンチ証券など、12回の転職を経験。マネーや転職に関する執筆のほかに、経済評論家としてメディア出演多数
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不況をチャンスに考えられる人は強い
急激な景気の悪化や、関連する報道を受けて、雇用に不安を抱えている人も多いだろう。実際に人材採用市場では、景況感に連動して劇的な変化を遂げている。キャリアコンサルタントの高野秀敏氏は、昨年から起こった変化をこう分析する。
「全体的な求人数は、感覚値ですが半減しています。中でも金融危機の影響が大きい不動産業界や金融業界では、昨年度と比較して10分の1ぐらいに減ったと感じていますね」
一見すると、ネガティブな要素ばかりが目立つが、高野さんは不況時こそチャンスととらえるべきだと続ける。
「仕事がなくて、早く帰れるなら資格取得や勉強に励むなど、自己投資に時間を使えばいい。
冬の時代を超えた人こそ強いんです。不況だからといってネガティブになってしまう人は、企業からも敬遠されがち。また、安定を求めて転職活動をする人が増えますが、不況時は経営統合やプロジェクトの変更があることも多い。安定志向よりも柔軟性を持った人の方が、企業に受け入れられやすいですね」
こうした流れの中、不況は女性がキャリアを築く上でも、必ずしも悪いことばかりではない。そう語るのは、1万人以上の女性のキャリア支援を行ってきた藤井佐和子さんだ。
「一般的に、女性は男性よりもコミュニケーションスキルが高く評価され、即戦力となれるのでスキルさえマッチングすれば面接の通過率は高いと思います。ただし、年齢に相応したスキルや経験がないと難しいのが現実です。女性管理職などは、依然としてどこの企業も推進したいため、マネジメント経験や、後輩育成に対する意欲がある女性は不況でも強いかもしれません」
そんな状況の中で、転職活動の方法も変化してきている。以前であれば、1~3月は比較的転職が決まりやすい時期といわれていた。しかし、企業の予算消化的な定期採用がなくなったことで、時期性は薄れているそう。高野さんは、相談に訪れる転職希望者たちに活動期間に注意するよう呼び掛けているという。
「昨年までは、2カ月間で内定獲得まで進んでいた人が、今年に入ってからは、さらにプラス1カ月かかるようになりました。採用のハードルが上がると同時に、企業側も数多くの応募者を見るために書類選考や、面接に時間がかかってしまうのです。求職者はスケジュールに余裕を持った転職活動が必要でしょう」
さらに、企業側の採用スタイルも変化してきた。人材紹介会社を使った採用は、企業側から見れば成約時に採用した人の年収の30%程度が手数料として発生する。そのため、応募者が集まらない職種や、マネジメント職以外は、自社のホームページや求人サイトなどで自己応募を募る企業が増加している。転職者側も自分に合った人材サービスをうまく利用していく必要があるだろう。
Q.あなたは今、どの程度「不況」を実感していますか?

『女の転職@type』のメルマガ登録会員にWebアンケートを実施(2009年1月16日~19日)。有効回答者数555名
【大いに実感!】
●プロジェクトチームが解散し、解雇された(26歳/求職中)
●転職活動中の夫の内定が取り消しになり、その後の転職先も決まらない。今までの実績を考えると、行き先がないのは不思議に思う(32歳/一般事務)
●3月末までに、非正社員1000人を削減するという発表があった(30歳/広報)
【そこそこ実感】
●ここのところ、会社の電話が鳴らなくなってきた(28歳/営業事務)
●急に経費削減にかなりうるさくなってきた(31歳/販売)
●昨年の決算で会社が赤字に転落したと知った(24歳/金融事務)
●以前は金曜の夜には街の中に人が多く、飲みに行ったりする人が多かったが、最近は夜、街の中に人が少ないと感じる。ビルの管理会社に勤めているが、テナントの売り上げがかなり苦しんでいる様子(28歳/経理)
【あまり感じない】
●教師をしていますが、教育業界は影響が少ないと感じます。これから実感するようになるのでしょうか……(36歳/教師)
●今の仕事はグループ会社間でやりとりしているため感じない(39歳/経理)
●人員整理や給料の減額がないので、まだ大丈夫だと思う(27歳/医療事務)
景気の回復と人材市場の回復には時間差
多い中、気になるのは採用市場がいつ回復するかだ。経済評論家の山崎元氏は景気の上昇と採用市場の回復には、多少のずれが生じると語る。
「不況時は、資産価格全般が下落するため、投資が有利になります。恐らく今年の夏あたりまで景気は悪化し、そこからは金融緩和を背景にアメリカの不動産あたりから、じわじわと景気が回復するでしょう。しかし雇用の回復には、一般的に1年ぐらいの遅れがあるので、本格的な人材採用市場の回復は2011年ごろと予想しています」
さらに、藤井さんは回復時期の予想は同じとしながらも、新しい採用市場のあり方を問い掛けた。
「好景気のときの売り手市場は、雇用本来の姿からすると不自然なものでした。今後、景気が回復しても元の売り手市場ではなく、本当にスキルのある人が評価され、真の人材活用が行われる均等の取れた姿になっていくのではないでしょうか」
本格的な景気の悪化を受けて、初めて本気で自分のキャリアを見つめ直す人も少なくないだろう。今後、2~3年は厳しい状態が続く可能性は高い。しかし、ここで話を伺った3人が口をそろえて、「不況だからといってネガティブになっても仕方がない」と言う。今こそ、自分にできることを問い掛ける良いタイミングだととらえて、後悔のない選択へとつなげていこう。